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冬薔薇
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作詞 那由夛 |
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箱庭を染める 銀世界
滲んでいる 一点の深紅(くれない)
寄り添うように零(こぼ)る 冬薔薇(ふゆそうび)
生命(いのち)の 灯 揺れる
鳥籠の中 囚われた日
ブルー・ダリアの睛に出逢ったの
昏い孤独の海を彷徨う
貴方 -旅人- は 小さな私 -鳥- を 解き放って
何もかも失くし 膝抱いて
泣いていた 幼い日の私
けれど今は そう 貴方笑うから
大丈夫 独りじゃ ないよ
いつか此の記憶、此の躯朽ちる
其の時が来ても
きっと 想い出す 胸の中
何度でも 甦るの
幾度目かの冬の夜
別れの刻限(とき) 廻り来る
嗚呼 壞(こわ)れゆく 躯ごと
もう自分の名前も思い出せない
愛しい貴方の聲も微笑みも
綺麗な名前も わからない
夜明けなど知らぬ 永い眠りの淵へ
旅立つ私の背には翼
白い指先で 唇にかかる金糸 -髪- を退けて
人形のように横たわる私を
抱き寄せ 泣いていた ブルー・ダリア -貴方-
箱庭を染める 銀世界
降り積もる想い 貴方包み
零(こぼ)る花のように 最期の微笑(え)みを湛えて
小さな キスを 降らす
――仄甘く 優しく 痛い…
――奇跡が 生まれた 刹那
――貴方の 腕(かいな)に 抱かれ…
――静かに 睛を 閉じた
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