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透明人間
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作詞 Little By Little |
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誰にも見えない 何をしても気づかれない
そんな便利な能力(ちから)に選ばれたんだ
何をしようかと迷った末 まずは万引きをやろうと思った
近くのコンビニの入ってすぐ隣にある本をとってやった
飛んでいる本を見てびっくりしている顔を見てほくそえむ
家に帰って本を読み一人笑う
外では楽しげに遊び笑いあっている子供たちの声が響いている
心の奥がぎゅっと締め付けられる どうして?人より優れているのに?
「ただいま」と言って母が帰ってきた 「おかえり」と返したが気づかずに
僕の隣をすっと通り過ぎていく
世界が急に狭くなったよう 不意に鏡の前に立ってみた
確かに前に立っているのに そこには何も映らない
気にしない気にしないといってこの便利な体で他に何をしようか考えた
なぜだろう何もしたいことが浮かばなかった 切なさが急にこみ上げた
涙があふれた僕の瞳は誰にも気づかれないのだろうか
神様 もうこれ以上のことは望まない 「普通の体に戻して」
泣きながら必死に懇願していた
僕の体を光が包み 不意に鏡に何かが現れた
確かに前に立っている 僕の姿がそこにはあった 泣きはらした顔があった
顔を洗って僕は家を出る「いってきます」を忘れずに言う
「気をつけなよ」と背中が聞いた
数分後近くのコンビニのドアが開く 僕は本を手に持って中に入る
その姿をたしかに店員さんは見ていた
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