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じいちゃんと階段
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作詞 ヤスト |
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階段の下から
二階にいる僕を呼んでいる
じいちゃんが搾り出す声
あの時気付けばよかった
毎日のように 小さな菓子の束を持ってきて
古臭いそれを 「いらない」と僕はつき返した
寂しそうな顔を気にも留めずに
「遊びに行くから」とドアを閉めた
「ありがとう」
そんな言葉を何度も呟く
いつになっても悔やまれる
あの時そう言えなかった
いつの間にやら 菓子を持ってこなくなった
階段を昇る 足音が聞こえなくなっていた
僕の名を呼ぶ声が下から聞こえてきて
降りれば菓子を握ったじいちゃんがいた
あの頃からだった
だんだんじいちゃんの口数が減って
気がつけば杖まで使い始めていた
人が「生きる」ということについて
よく考えもしなかった僕は
やはりじいちゃんのこともろくに考えてなかった
「ありがとう」
そんな言葉を何度も呟く
いつになっても悔やまれる
あの時そう言えなかった
階段の下から
二階にいる僕を呼んでいる
じいちゃんが搾り出す声
あの時気付けばよかった
「ありがとう」
そう言えばよかった
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