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「ママの気持ち」
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作詞 souzou |
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スーパーの帰り道 夕日色した幼い瞳と大きな母性に笑顔があふれる
何でもない日常 それが幸せ色に包んでくれる
笑うという感情をくれた神様への感謝も忘れていた日だった
それは突然の始まり 無邪気な幼さは走る鉄の塊に負けた
それは突然の終わり 投げ出された幼さは心と体がお別れして肉の塊
小学五年生 手に持った風船は羽が生えたように空へ飛び立つ
不釣り合いな音が街の中エコー混じりに響く
小学五年生 頭と体は引き裂かれ動かないただの人形
一緒にいた彼女はミルク色した意識の中 鉄が走る道路に向かった
ひざまずいた彼女は少年の頭を優しく抱きかかえる
まるで赤ん坊を抱くように紅い頭を抱きかかえたんだ
鉄が走る道の上 彼女はゆっくり家に向かう 歩いた道にとぼとぼと落ちる紅い水たまり
彼女に涙はない 彼女に顔はない 一色しかでない絵の具のようだった
少年の大好きなハンバーグの話しをしながら 少年のやわらかい髪を撫でながら
彼女は家路を歩く 彼女を前に進ませたのは少年への愛と破滅型の母性だけ
暖かい現実を越え 歩道橋を越え 坂を越えて 燃えるような汗をかく
たどり着いた家はいつもと同じ景色 その中で彼女は髪を切った
昔していたショートカットに 昔着ていた服に着替え
彼女の願い あの頃少年といた体のようになりたくて頭を体に入れたんだ
腹を切り裂いた 痛みなんてなかった
消え逝く意識の中 少年が生まれてくるのを信じて ただ信じて・・・
誰にもとめられない彼女の無償の愛は 流れる血液に消えたんだ 鉄の塊に負けたんだ
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