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1度きりのプロポーズ
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作詞 沙輝 |
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出会いは互いに15のとき。
最初はあなたの名前すら知らなくて
ただ、あなたを見て騒いでいる友達の隣で
私は何か他の事を考えていたような気がします。
2人付き合い始めたのは6月。
一緒に帰るのが楽しくて
あなたの横顔が眩しすぎて
どんどんあなたを好きになった。
もうこれ以上愛せる人はいない。
そう思ったほどに。
結婚しよう
なんて、言われてみたいなぁ。とか
考えたりして。
でも、それは幸せすぎた。
あなたに突きつけられた運命。
急性骨髄性白血病。
長い長い闘病生活。
痛い、苦しい、つらい。
髪は抜け落ち、動くこともできず
ただ、涙を流すあなた。
握っていた手には力がなくて
いつもかすかに震えていた。
そして
別れは突然だった。
容態が急変したという知らせ。
病院にかけつけた時にはもう遅かった。
冷たくなった顔には、まだ涙が残っていた。
あなたの最期を見ていれば
私はきっとあなたが息を止めた後
静かに命を絶ったでしょう。
あなたらしい別れ方。
まるで、私を見透かしているかのような。
3日後。
あなたからの1通の手紙を受け取りました。
くしゃくしゃになった紙。
力のない字。
涙でにじんだ、あなたからの最期の手紙。
“退院したら
結婚しような”
それは、最期に見せたあなたの最大の強がりでしたね。
きっと、それを書いて何度も捨てようとしたんだろう。
退院などできはしないと、あなたは分かっていたから。
私にとって、あなたの存在は大きすぎたようです。
これから先、あなたを越える人は
現れそうにもありません。
あなたからの1度きりのプロポーズ
それさえあれば、私は頑張れる気がします。
私は死ぬまで
あなただけを愛します。
あなたの口癖
“生きたい”
を私は一生忘れません。
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