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夏祭り
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作詞 Poet☆ |
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ある初夏の夕暮れ
机に飾られたうちわ
夕日の差す部屋の中で
あの日の夜を思い出していた
遠くで聞こえるお囃子
そう 今日は夏祭り
タンスの奥から出す浴衣は
あの日の夜の匂いがした
髪を結えて簪を挿して
あの日と同じ姿で夜道を歩く
首筋をなでる風が今年は
少し冷たく感じる気がした
あなたのいない夏が来た
にぎやかな屋台で二人
楽しかったまだ忘れられない
金魚すくいで勝負したり
一つのかき氷を食べあって
この簪もあの日見つけた
今年はにぎやかなはずの夜も
涙の音しか聞こえないほど
私には静かに感じた
どうしても見せたいと
この日のために買った浴衣
優しく笑った顔だけ
今もそこにあるみたいだった
あの日からもう一年が過ぎて
夏も想い出になったんだと
空を見上げて思う今日の星は
いつもより輝いていた
すくった金魚と巾着を手に
あの日と同じように過ごすのに
去年と違うのはなぜだろうと
わかりきった答えを繰り返していた
あなたのいない夏が来た
静かな夜になっていった
お祭りも終わりを告げる頃
辺りを明るくさせる花火と
まだ終わらない夜と共に
二人は永遠に一緒にいる
そんな風に誓ったはずだった
今は線香花火の火が落ちるように
想いの儚さを一人感じていた
私は今年もここにいる
あの夏の日の想い出が
花火に一つ一つ照らされて
笑顔が心のなかを駆け巡る
開いた穴がふさげないまま
今もここにいる理由(わけ)を
探し続けて季節が廻った
どれだけ二人が離れたのかも
今の私はまだ知らないかもしれない
また夜が終わる
花火の火が消える
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