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神風
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作詞 天 |
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硬い音が空気震わせ
ボクの頭上を滑っていく。
落ちた紙飛行機拾い
機体の背中に手を振った。
ボクは明日戦地へたちます。
仲間とともに空を駆けます。
愛するこの祖国のために
生まれてきたと言うのなら。
ボクに笑顔を向けた彼は
ひとこと「よく眠れたか」と。
あの子は涙隠しながら
三回万歳してくれた。
白昼の静寂の中で
影焼くこげたコンクリート
急きたてられて流れる雲
見上げるのは夢のてっぺん
四角い空を切りひらいて
重い機体が今飛びたつ。
なぁ
さっきは頷いたけれどさ
ほんとは眠れなかったんだ。
爆発するその瞬間は
やっぱりちょっと痛いのかな。
愛するこの祖国のために
生まれてきたと言うなら せめて
今まで生きてきた理由と
死にゆく理由が欲しかった。
荒れる神風の中彼が
「死にたくない」と呟いた。
なぁ
帝國万歳じゃやっぱり
少し寂しい気がするんだ。
だからさいごの時がきたら
キミの名を呼んでいいですか。
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