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花宵
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作詞 みなね |
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色の無い世界に 咲き誇るのは紅の花
二人の足跡を消した 冷たい花びらが 白く染め上げた
咄嗟に引き止めた手は 冷たくて悲しい
暖かいと君が笑うから 強く握り締めて
遠くを見つめた夜 静かに閉じる瞳が綺麗で
届かないと知っていたのに 振り返らない小さな背を追ったんだ
降りしきる雪のように その淋しさを抱きしめられたのなら
胸に落ちた硝子の欠片を抱いたまま眠れたのかい?
白く 気高く 溶け込んだ花はそよぐだけ
惑わされた蝶は 甘やかな香りに酔ったまま
ふわり舞い散る花弁が 君をそっと包んだ
行かないでと手を伸ばす 空を切る指先
馬鹿だねと言った笑顔を引き寄せた
涙のように溶けてゆく 儚く消えてしまわないように願いながら
凍てつき眠りに落ちていく花に唇を重ねた
淡く 甘く 言葉の代わりに受け取って
惑わされた僕は 取り残された蝶のように
色の無い世界に 君の咲かせた紅の花
振り返った微笑は 夢と共に消え果た
僕等の思いを消した あの日々ばかりが 心を凍らせる
君に惑わされた 時期外れの蝶はやがて
愛しい花にたどり着き 涙枯れるまで
その羽で貴方を暖めるでしょう
惑わされた蝶は 甘やかな香りに酔ったまま
春を待とうと眠るのでしょう
紅の花がやがて 夢だと思えるまで…
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