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先輩。
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作詞 **@Latte** |
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今年の三月に
初めて知り合った
ちょっと背が低くて
肩を並べると同じくらいなんだけど
存在感の大きい人
先輩は引退して
そのあとに
メールをするようになった
それが
あたしと先輩の始まり
なんでかよくわからないけど
気が合って
毎日毎日メールした
半年くらい
途切れることなく
あたしの受信ボックスは
先輩のメールでいっぱい
だんだん打ち解けていって
素の自分でいられた
先輩の横
二人の間に
『恋』っていう二文字はなくて
ありのまま
素直に言いたいこと言って
思いっきり笑って
ちょっとした意見の食い違いからケンカもしたけど
それでもやっぱり
すぐに仲直りした
先輩のとなりは
居心地のいい
安心できる空間だった
でも
時間が過ぎるのはあっという間で
冬になるにつれて
先輩は受験生なんだ
って
痛いくらい感じるようになった
そうすると
あたしの頭の中には
先輩大丈夫かな?
とか
先輩合格しますように
とか
いつもいつも先輩がいる
それから
もうすぐ先輩は卒業しちゃうんだ
って
泣きたくなる
きっとあたしのことなんか忘れてしまうんじゃないか
って
すごく
すごく
寂しくなる
いまのうちに
思い出いっぱい残さなきゃ
って
焦るほど涙は増えて
一秒
また一秒
先輩を思う時間が増えていく
二人の間に
『恋』の二文字はなかった
きっと
これからもないのかもしれない
この関係が壊れてしまいそうで
ずっと
ずっと
気づかないようにしていた
だからこれからも
おととい一緒に帰ったときも
昨日一緒に登校したときも
あたしは
自分の顔がほてってるのを感じてた
先輩のとなり
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