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ボウガン
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作詞 ゆんすけ |
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僕らはこの街で
平和と寄り添い暮らしている
言葉というボウガンを
ぎゅうと右手で握り締めて
僕には愛する人がいて
幸せの意味も知っていた
「愛してる」を集めて束ねた
花束も右手に抱えてた
その日は少し疲れていた
思い返すのも面倒くさい
原因は仕事上の簡単なミスと
傘を駅に忘れただけ
「おかえり」と言った
いつものように君が
明るい顔とその声が
その日は妙に気に触った
花束だった言葉たちが
急にその姿を変えた
誰かを傷つけるために
切っ先尖らせた言葉のボウガン
僕は言葉のボウガンを
ぎゅうと右手で握り締めた
ゆっくり鉛の矢を引いた
気づいたときには君の姿は
この部屋には無かった
他の部屋にも無かった
雨音が強くなってきた
今なら君に撃った言葉
届かなかったかもしれないのに
右手に握った言葉のボウガン
今度は自分に向けて撃つ
「おめーは馬鹿だ」を集めて束ねて
一気に左の胸に撃つ
僕らはこの街で
平和と寄り添い暮らしている
言葉というボウガンを
ぎゅうと右手で握り締めて
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