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山男、跳べ。
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作詞 ロング坊主 |
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「どうにもならぬ」
主がゐう。一体どうしたことなのじゃと聞きいると、
おあし(お金)が尽きたと山男は云う。心が折れたときゃつは云う。
「ならばここで切り捨てようか?」
きゃつはぬるぬるした笑顔を浮かべ
「おお、そうしてもらおうか!」
脇差しを抜き、天に向かって振り上げる
鈍い光を見て急に山男は云う。
「おおお、やっぱり、止めてくれ俺はまだまだ死にたくない」
刃の上の様な人生に 一体何を求めてゐるのか、山男。
「幾人の血を吸った我が刀、貴様を切るのは錆となる」
どうせ、明日死ぬかも知れぬこの体、のらくらと生かして何になる?
灰になって、土葬されるその前に
跳べ、山男。 生命の片鱗を見せてみよ。
刀の錆になってはならぬ。
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