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舞い降りた羽
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作詞 E-L-E |
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「ゆらゆらとゆれる幻想における投影型妄想」
第4巻 701ページ
『diamant de la nuit de clair de lune a detruit le ciel』
それはまるで雨のように
最後の瞬間に光るそれは揺らめいて燃えた水面の月
「私は怖いのです。全てを忘れることが。
そこにあったものが無になることがたまらなく怖いのです。
だから最初から見たくはないのです。
知らなければ、忘れない。失いもしないから。
お願いします。これが我侭だとはわかっています。
ですが、逃げたいのです。現実から。 」
La bague de l\'silver a gueri la peine
『ウォッチャーより報告を申\し上げます。
現在の彼女は脈、心電図ともに以上無し。
このままでいけばしばしの容態の安定は約束されたものと思われます。」
「迎えに来て…私の天使よ…私の女神よ…
愛することなど知らなければ
死することなど知らなければ
私は幸せだったのに
………
幸せなど私に必要なのでしょうか
不幸など私に必要なのでしょうか
教えてください…」
―\それから少女は笑う事も無く
―\されど泣くことも無く
―\願い続けた
―\いつか迎えに来ることを願い
―\いつか還れる事を願い
[幾度も昇る太陽と幾度も昇る月]
[それらは何を見て何を悟ったのだろうか]
[像の下で祈り続ける少女の体躯]
[倒れ朽ち果てるその時に]
[抱える手はあるのだろうか]
「私はこのままでいいのです。幸せも不幸もどちらも望まない。」
―\それが少女にとって幸せであり、矛盾する事でしか自分を生かせない。
―\見えているのは現実か、幻想か。
―\自分を置き換えることもなく少女は祈り続けた。
「ウォッチャーより報告を申\し上げます。
彼女の姿が消えました。
現在全勢力を注ぎ探しています。 」
これが少女の選択だった
降り注ぐ星空の下
途方も無いたびを続けた
それが不幸か不幸でないのかは
誰も知らない
少女ですらそれがどちらかは
知る術もなくただひたすら
意味と理由を見つけるため
紅く揺らめき燃える水面に
足跡を残す
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