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旅行家の落日
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作詞 牟 |
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君は笑いその白く暈けた窓ガラスからは
もうじき消えかける陽が見えた
そして
合成や修復だらけの街で
君の家の小さな庭に立ってる金木犀は
匂いと葉の音が優しかった
目で確かめられない物は偽りではない
今でも覚えてるよ
あれから時間は全然表\情を変えないまま
同じ拍子で流れて行っただけかも知れない
だけど
今でも覚えてるよ
やがて全てが枯れ落ち冬に包み込まれ
その中で僕は忘れゆく体温を両腕で抱く
手で確かめれる物だけが本当ではない
装飾や宝石だらけの街で
君が不意に見せる目の色や頬の赤みで
温もりと愛しさを覚えた
だけど
君は泣きその白く暈けた湯気の向こう側には
翌日発つ街灯りが揺れるだけだった
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