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振り上げた手は
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作詞 高桐和司 |
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初めて振り上げた手は
迷わず全力で
相手を殴りつけた
殴って殴られて
互いに泣いて 怒って
最後には 笑ってた
次に振り上げた手は
弱弱しく ゆっくりと
振りおろした
傷つける怖さと
傷つけられる怖さを知った手は
全力を忘れた
次に振り上げた手は
ただ力任せに
壁に叩きつけた
何もわからないまま続けられる状況に
やり場のない感情に
誰かを巻き込むこともできなかった
次に振り上げた手は
何をすることもなく
ただ おろした
寂しさを知っていた手は
理不尽もわがままも
全部許すことを知った
結局はこうなるしかなかったんだと
あきらめを覚えた
最後に振り上げた手は
おろすこともなく上げたままで
手首に走る無数の傷跡と
一筋の線を描いた赤と
とっくに渇ききっていたはずの
君との関係
どうして あのとき
君を思い出せなかったのかな?
渇いて醜くひび割れた血の走る腕は
ひどく 汚れているような気がした
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