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少女の楽園-3-毒の杯
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作詞 E-L-E |
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「虚飾は傲慢。一番わかりやすい真実。
手を伸ばしたその先にあるのは 終焉への片道切符。」
第9巻 552ページ 約束など存在成しえない
「また一つ、楽園の扉が開かれる
海のその向こうにある島
そこには全てを導く大樹があるという
楽園と呼ばれたその地の扉を叩いたものは
流れるように体が消え去った。
楽園の扉を開くには代価が必要だった
くだらない願いを持つ体等に踏み入れる必要性がない」
水が揺れる水面
たった一つ育つ木
それについた名前は
エデンという名の嘘
人は愚かなもの
約束裏切りの痛み
感じるわけがない
ならば滅びを辿るだけ
手を伸ばしたそこにあるのは
行く末を映すという樹液
少年がみつめた壁には
たった一枚の肖像画があった
「さあ、疲れたろう。どうぞ」
それが少年の最後だという
嗚呼愚かとは犬の様
絡まり合うくだらぬ遊戯
踊るロンドのステップはまるで
罪を認める液体のようで
最良を求めた少年の夢は
最悪を求めた少女の夢は
手を取ることもままならぬままに
権力と言う名の自由に縛られ
崩れるに身を任せるだけとなる
「嘘をつくことに意義があるんだよ」
やがて少年は楽園を見つけるだろう
やがて少女はエデンを見つけるだろう
やがて少年は愛を見つけるだろう
やがて少女は意味を見つけるだろう
遠い遠い輪廻の輪が今絡まった
楽園を捨てた罪を永遠に繰り返す
始まりの扉が開かれたとき
それは全て決まっていた事
終わりとの狭間に挟まれた
5つの文字が見せる幻想
†††
「君の事は忘れない。」
「貴方のことは忘れない。」
禁断の樹液に手を伸ばし毒に蝕まれた
時間の幻想を彷徨う愚かな魂
これ以上ない位に美しい荒野
そこには失ったはずのエリュシオンを見た。
少女の些細な願いは
いくつもの世界を捻じ曲げ
いくつもの世界を眠らせた
そしてまた少女の魂は
毒の樹液に手を伸ばす。
嘘だけを灯すその快楽に。
『それがたとえ扉を閉めることになろうとも―\―\―\』
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