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少女の楽園-1-空への扉
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作詞 E-L-E |
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「そうだ。**ちゃん。来週はあなたの誕生日ね。何がほしい?」
『えっとね。わたしね、あの本がほしいの。』
「あら。こんなのが読めるの?すごいわねえ。」
『うん』
「そうね。じゃ、買いましょうか。」
『ありがと。ママ。』
『わたしね。』
『しあわせだよ。』
―\開かれた、世界の終わり。
―\全ては。
第1巻 1ページ 転がる罪はもう誰にも止められない。
吹雪いた草原の中 一人で少女は歌う
晴れた時に何もなかったとしても
笑顔が可愛いその眸 歪んで倒れる体
命は短くて長く生きられないその体
嗚呼 遠くの人は 私を愛してくれた
嗚呼 今すぐ来て 私を抱きしめて
白い寝台の上で 絵を描く少女には
もう歌は歌えない体になった
何も聞こえないその耳に 光を灯した双眸に
描きあげられてゆく一枚の楽園は崩れゆく
苦しくない体に産まれたかった
もっと生きて幸せがほしかった
でもそれは夢 希望
助けて
手を伸ばしたその指は
男の手が握り返し
抱きかかえられた体
扉をくぐり抜けてゆく
―\微笑みながら 何処までも
幸せがほしい 自由がほしい
愛情がほしい 我侭って言われても
些細な願いを 叶えて下さい
あの人の笑顔 手にしたいって夢だけを
想いがほしい 願いがほしい
時間がほしい 思いを伝えたい
些細な気持ちを 届けて下さい
―\そうして空への扉は全てを飲み込んでいった。
「黒い仮面の男 白い服の少女
対なる色の二人 それは夢をかなえる為の鍵
たとえ全てが滅びても少女の願いは叶えられるだろう
それは男が交わした契り それは少女が望んだ夢
ならば、それらは全て最初から決められていたこと
偶然など、この世界には存在しない 」
それが嘘だと気づくには 年月がたち過ぎた
たとえここから逃げようとも 扉は開かない
嗚呼 目の前にある死体は 黒い仮面を被る
望んだ事は全て夢 かなえられるわけがなかった。
愛してください 自由をください
愛情をください 我侭って言われても
些細な願いを 叶えて下さい
ここから逃げたい たったそれだけのこと
想いを下さい 願いを下さい
時間を下さい 逃げ道を下さい
「そうして少女は微笑を失った。
それから3日後とある国からきた人間により少女は助けられる。
そしてその生涯微笑むことはなかった
少女は 」
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