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―\―\最愛なる騎士に捧げるお話―\―\
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作詞 天観聖 |
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ある国に、一人の騎士がやってきました。
その騎士はとても強く、気高く、
そして……誰よりも、その意思が強かったのです。
その騎士は、ある日、国の姫君の護衛を任されました。
毎日のように二人で過ごし、毎日のようにわがままな姫君に笑顔を向けてくれるその騎士に、姫君は淡い恋心を抱いてしまいました。
そして、その騎士も、姫君に赦されない気持ちを持ってしまいました。
気持ちに気づいた二人は国には内緒で、愛し合いました。
寄り添い、口付けて、二人で抱き合う切ない日々。
決して赦されはしない関係。しかし、愛し合う二人は抑えきれませんでした。
ある日、二人の時間は突然に終わりを告げました。
愛し合っている二人の関係が国王に知られ、騎士は爵位を剥奪され……
姫君の目の前で、国の剣をその胸に受けました。
最愛の騎士が死に、姫君は悲しみの涙を止めることができませんでした。
涙が枯れるまで、姫君は泣き続けました。
しかし、国に反乱する者の手によって、魔女の力で騎士は蘇えってしまいました。国の姫君を殺すように、操られながら……。
姫君は、騎士と反乱軍に追い詰められました。
騎士との念願の再会……だが、それはあまりにも悲しい再会だった。
だが、騎士は自分の理性を失っていなかったのです。追い詰めた姫君を、あの頃のように護り始める騎士。
最後の力を振り絞り、全力をかけて姫君を護る騎士。
ついに闘いに勝利し、しかし騎士は力尽きてしまって、その場に倒れてしまいました。
急いで駆け寄る姫君。零れる涙は、騎士の冷たい頬を伝いました。
泣きながら、騎士の消し去られた名前を叫び続ける姫君を見た騎士。
騎士はただ一言、「ありがとう」と呟き、目をゆっくりと閉じたのでした。
優しくて、強くて、私を理解してくれて、私を深く愛してくれた、たった一人の大切な貴方―\―\
―\―\それが、私の見た、私の騎士様。
もう一度、貴方に逢いたい。
宙に還ってしまった貴方に、ただ一言、「愛しています」と言えればいい……。
ただ…貴方に……
今も…今も深く貴方を想っています。
ずっと…ずっと貴方だけを見ています。
永遠に…永遠に貴方だけを愛しています。
その身が滅ぶときまで、私を護り続けてくれた―\―\
―\―\最愛の騎士様を。
大切な……私の愛した騎士様を―\―\
―\―\この物語を……
現在は亡き、私の最愛なる騎士様に、捧げます―\―\
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