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後ろの正面だぁれ
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作詞 娃鬼 |
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満月の夜の中
一人静かに呟きながら
籠の鳥を優しく撫でる
「早く出ておいで」
彼女は言い
幸せそうに微笑みました
子守唄を 歌いながら
彼女は彼に向かって問いた
「この子と私は何時出会うのですか」
もうじき・・・もうじきです
早く そう、早くこの子に逢いたいのです
そう言う私は我侭でしょうか
天の星が輝く中
静かに二人囁きながら
籠の鳥に問いかける
「君は私達に会いたいですか」
彼等は言い
幸せそうに微笑みました
この子の名を呼びながら
姑は彼等に向かってはいた
「幸せはそう長く続くものではない」
あと少し・・・もう少しだけ
長く そう、長く幸せが続くように
そう言いながら月に願いました
「夜が明けていくよ」
彼は言いました
私は早朝から出かけなければなりません
この子の為に
「少し早いですが出かけてきます」
彼女は笑顔で言い家を出た
月を背にした 黒い影
私に向かって穿き捨てた 言の葉は
私の上に重く 圧し掛かった
気がつけば 宙に浮いていて
それと同時に暗くなり・・・赤くなった
目を開けようとするが
立ち上がろうとするが・・・
母の中で鳥が動き出す
力いっぱい喚くが母の意識空へ飛ぶ
籠の鳥の力も尽き果てて
母と供に散華となった
私を突き落としたのは誰なのですか?
『後ろの正面だぁれ・・・?』
(許さない)
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