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僕の大切な人B
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作詞 雨のち晴れ |
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その翌日も またその次の日も
いつも通り 普通に
やって来た 亮平とは 今まで通り友達でいる
あの後 僕は気持ちをきりかえようとした
そして それは 何とか出来た
そんな こんなで
一日一日が 今まで通りやって来て 過ぎていった
その日 放課後 僕は 教室に忘れ物を取りに行った
そこで 君だけが一人いた
君は 窓の外を眺めていた
「どうしたの?そんなとこで」
僕は聞いた
「うーん ちょっと考え事」
君は言った
机のなかを探すと そこに忘れ物はあった
「あった あった」
「忘れ物 見つかって良かったね」
「うん」
そう言いながら君の方を向くと
君の足下に 小さな涙の粒が落ちているのに気付いた
「もしかして 泣いてる?」
「泣いてない」
「いや 泣いてるでしょ」
「泣いてないって言ってるでしょ!」
強い口調でそう返された
僕は その強すぎる言い方に言葉を失った
「ごめん」
僕と君が同時にそう言った
しばらくの沈黙
「じゃ じゃあ 帰るね」
僕は帰ろうとした
次の瞬間 無意識のうちに次の言葉がでていた
「あのさ 泣きたかったら 泣きなよ
君が泣いてたってこと みんなには言わないからさ」
言った瞬間 僕の頬は赤くなっていった
「迷惑 だよね?」
僕がそう言った後だった
君が僕の方を振り向いた
君の目は 真っ赤になって
泣いていた
と君はさらに わっと泣き出し
僕の胸に顔を当て泣き続けた
長い時間 それが続いた
最初に口を開いたのは君だった
「ごっ ごめん!ほんとにごめん! 急に迷わ」
あわてたようにそう言う君に向かい僕は
「泣きたかったら 泣いて
僕の胸ならいくらでも貸すよ」
君が君の言おうとしていたことをさえぎりこう言った
「ありがとう でももういいよ」
君はそう返した
「そう 無理しなくていいからね」
「大丈夫」
「ちょっとやめといた方が いいんだろうけど
何で泣いてたのか 聞いてもいい?」
しばらく続く沈黙
「できればでいいんだけど あっ無理だよね
じゃあ僕帰るよ」
そう言って帰ろうとした
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