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猫と家と君
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作詞 小山ヒサト |
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冬.
空がまだ
暗いうちに跳ね起きて
今日も君は 寒そうに
顔を赤くしておはようと
笑いかけた
多分去年の僕じゃ
想像も出来なかっただろう
そんな暖かい家がある
春.
空はもう だいぶ明るくなって
桜が舞う頃も君は いつも通り
まだ冷える指先に息かけながら
おはようと 笑いかけた
多分去年の僕じゃ
きっと望みもしないだろう
そんな帰れる家がある
夏.
太陽も昇りだした頃に 跳び起きて
君は朝焼けの空に 溶け込んだみたいで
光る汗も気にせずに
おはようと笑いかけた
多分去年の僕じゃ
考えもしなかっただろう
そんな大事な君がいる
秋.
太陽はもう 上まで昇り詰めている
君はどこにも居やしない
おはようと 笑いかける人が消えて
僕は独り孤独と戦う
多分去年の僕じゃ
きっと思いもしなかっただろう
そんな哀しみの家になる
ああ
こんな言葉を思い出した
「秋は 滅びの季節なんだ
全て無くなって
やがて 再生の冬になる」
多分去年の僕なら
もう用は無いと逃げるだろう
多分今の僕は
この家を守ることしか考えられない
冬よ早く来い
僕の命もあと僅か
冬よ早く来い
この家に君と温もりを
願いながら一声鳴いた
星になった君に この声は届くだろうか
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