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リストカッターの親友
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作詞 蓮癒 |
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「どうしたのさ。それ」
丁度見てしまったその瞬間
思わず口に出してしまった
腕の切り口からは赤い体液が少し流れていた
彼女の腕にはカッターが握られていた
彼女は下唇を噛んだまま何も言わなかった
よく見ると、傷は多数あった
古いものから新しいものまで
「黙ってないで教えてよ」
いつのまにか泣いている自分がいた
「……自分が嫌いだから。私は汚いから」
やっと口に出した言葉がそれだった。
「自分が嫌いで汚かったら腕を切ってもいいの?!」
私は鞄の中からハンカチをだしてその腕に巻きながら言った
「ウチは…自分を傷つける人は嫌いだ。」
そのまま家へ帰ったがあの時その行動をとってよかったのだろうかと今でも考える
なんでそんな事をするかもっと、聞いた方が彼女も楽になったのかもしれない
だけど、あの時は頭の中が真っ白だった
彼女はたぶん苦しかったんだろう
なのに相談もしてくれないで、自分の中に押さえ込んで、自分を傷つけて
そりゃ、リストカットなんて私は怖くてした事がない
毎日を笑ってすごしている私には
彼女が、どれだけの苦しみを持ってるかさえ、解からない
今の私は弱いから頼ってとも言えない
そう考えると、私は無力なんだって思う
あれから、一言も口を聞いてくれなくなった彼女
親友とはいえなくなってしまった
中学生になっても、リストカットは続けるんだろうか
傷付いてく彼女を見るのはもう嫌だ
もっと頼れる強い自分になって彼女を闇の中から救ってあげたい
彼女の見ている闇を一緒に見て上げれる勇気をもった人になりたい
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本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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