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秋霖
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作詞 High |
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潸潸と流れゆく雫
秋霖合わさった彼此は血涙
幸甚に満ちた内の輪
ただ睦まじく生を営む
この愛娘たちと
この輪を乱す一つの矢
白き純白の何も知らない
あの子が手に携えて笑顔
衆人の姿が
全て獄卒に見える
友垣の吐く言の葉が
私の胸に突き刺さる
失わなければ死なば諸共
この沈痛な気持ちは誰も解さない
何故…この念が届かない
手を握り返すこの子
その無垢な笑顔が私の胸を
良心を痛みつけるのよ
この運命を呪わずにはいられない
この子の別れが今宵の満月の下
時を知らせる白日は落ちていく
夕焼けの明かりが恋しくなる
衣紋を掛けた我が子
月光に照らされた蝶が舞い
見せる笑顔が紅涙を誘う
歩き慣れた大路が
まるで三途の瀬に見えるのは私の僻目?
笑みからこぼれる声とは対照的な
歪んだ顔から漏れるすすり泣く声
悲しいね…
鎮守の神木の前に立ち
この子との永別の言の葉を交わす
「ワタシ 何処行クノ?」
泣血を流しながら
自らの手で竜神様の許に送り届けた
落ちていく子の泣き声
知らぬ!聞こえぬ!
髪揺らしながら目を逸らす
「この咎を…誰か祓いたまえ」
残ったものは
安堵と生きる者の幸せ
これが本当に幸せなのだろうか?
この世は苦輪といえども
捧げる身だけの生とは
神様などいないのではなかろうか!
ごめんねとの後悔の念は
長雨の中で落とす雫と共に
かき消されていく
落ちて逝く者に生者の思いは届かない…
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