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笑顔
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| 作詞 ヴォノ |
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窓が１つあるだけの四角い部屋
出入り口がないのにここで目が覚めた
ひたすら無難に生きてきたのに
何も悪い事なんてしていないのに
しばらくすると、窓の外を通る年老いた男の姿
ノドが切れるくらいに叫んだ 助けを求めた
初めから知っていたような素振りで男が見る
その顔は 何故か悲しそうで
…何か言いたげな雰囲気を残して男が消える
他人に迷惑をかけた事なんて無いのに
他人に恨まれる覚えなんて無いのに
誰も助けてくれやしない
ここに来る前は何をしていたんだろう？
記憶をたぐり寄せてみると涙が出てきた
「なんで泣いてるんだろう…？」
涙の冷たさなんて知らなかったな
いつも自分だけを守って生きてきた
他人の助けなんて無視して高い地位だけを目指した
隣で泣く人間にすら興味を持たなかった
誰かと約束した事もなかった
どうせ守られる事なんてないって思ってたんだ
「初めから知ってたじゃないか？」
「ここに来る前から独りだったじゃないか？」
…気づくと、窓越しにさっきの男が語りかける
今まで自分が踏みにじってきた思いを知った…
「もう１回だけやり直してみたいな」
「ここから出て誰かに会いたいんだ」
「誰かの力になりたいんだ」
自分の生まれて初めての言葉に涙まで流れてきた
「君は変わるんだ 誰かを助けて生きていくんだ」
年老いた男が言う その微笑みはどこか懐かしかった
見覚えのある笑顔を見ながら 意識が飛んだ…
目が覚めるといつもの部屋で汗まみれ
男の顔と言葉を忘れないようにしよう…
顔を洗いながら男の言葉を思い出す
「笑顔の練習でもしてみよう…」目の前の鏡に向かう
何年ぶりかの笑顔は男のあの顔にそっくりだった
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