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僕と彼女と十\円玉
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作詞 秋鳥 |
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もうつかわれない公衆電話。
見ていると、思い出すことがある。
子どものころ、隠れて話しこんでだ。
家では長電話ができなかったから。
親からもらったおこづかいを使って話した。
この街からいなくなったあの子は
遠い街に暮らしている
この十\円玉は
僕たちの、唯一のちいさなつながり
今日も一枚、十\円玉を使ってく
つながるとともに落ちる音。
このちいさなつながりが いつまで続くかなんて
そんな不安はどこにもなかった、君と笑う。
もうとっくに、お金はつきてたんだ。
こっそり借りた十\円玉持ち出した。
君ともっと話したくて、友達にさえ借りた。
君がこの街からいなくなっても
どっかの街で暮らしてても
この十\円玉は
僕たちを、いつでもすぐにつなげでくれた
とりとめのない、会話をするたび
落ちていく音は重なってく
このちいさなつながりが ずっと続けばいいのに
残酷な不安をつくりだす、十\円玉。
ある日、親にばれちゃって
もう君と通じることはできなくなった。
心の中で何度も繰り返し叫んだ!叫んだ!!
もう君とはもう話せないんだ。って
ごめんね。ごめんね。って
話せなくって、ずっと落ち込んでいたよ。
ガラスの壁の中に入って座り込む。
うつむいて下を見てると 床には十\円玉。
君とのちいさなつながり求めて
今一度電話をかける
この十\円玉は
僕たちを、きっともう一度つなげるよ
この一枚が、小さな一枚が
君と僕の距離を狭める
このちいさなつながりが もう一度つながっていく
希望のかけらが君と僕を、つなげていく
誰かがおいてく十\円玉。
新しい一枚が、今日も増えていく。
もう使われない公衆電話。
見ていると、思い出すことがある。
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