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インタビュアー
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作詞 アウトレット |
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学校帰りの僕を呼び止めた腐れ縁のアイツ
ダンボールで作ったマイクを向けてきた
困惑する僕の隣でヤツはやけにハイテンションで
街角インタビューのノリで質問をしてきた
TVのニュースでも見てて真似てみたくなったんだろう
しょうがないから一応付き合ってやった
最初は誕生日とか血液型とかありふれた質問で
すっかりうまく乗せられているのにも気づかない
僕にいきなりその質問をぶつけてきたよ
「好きな人は誰ですか?」
それが目的かい!(はめられた!)
すごい勢いで怖かったから部活だけ答えた
だけど寒くて舌がまわらず
「ばぢゅちゅぶ」って言っちゃった
5秒ほど間を置いてヤツは大爆笑した
聞いた内容よりもカンだことが面白いらしい
僕は笑う余裕もなく 真っ白な頭の中で
クラスの連中に明日からかわれる予\想をした
恐らく数ヶ月間はあだ名が
「ばぢゅちゅぶ」になるだろう
そう考えると若いのにお先真っ暗な未来だよ
すると笑ってたヤツが突然真顔になって
「大丈夫、誰にも言わないよ」って
優しく言うから・・・(卑怯だよ!)
見慣れない真顔で真面目ことをいきなり言うから
ほのかに暖かい友情をその時感じた
次の日、ほくほくの心をそのままに
下駄箱に靴を入れて いつもの廊下を歩いて
友達が待つクラスのドアを開ければ 全員が一斉に
「馬に乗る部活は?」
え?ば、ばぢゅちゅぶ・・・あー!もう!あの野郎!!
やっぱりその日から数ヶ月間 僕は「ばぢゅちゅぶ」
おかげさまで人気者だ
僕にマイクを向けたインタビュアーさん
感謝します そして殴らせろ!
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