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煙が空に消えていく
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作詞 タオル |
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コンクリートの 上に座って
その冷たさに 眉をひそめた
目の前を流れていく 雑踏の
不規則な足音のリズム
七色に揺れる 傘を掲げて
人が足早に 歩いていく
水溜りに写る 雨粒の
不規則な波紋のリズム
何かを考えあぐねて
今は押し黙ったままの空に
火をつけた 煙草の煙が
雨を避けるように むかっていく
叶うなら 空まで昇れ
かじかんだ 手足の指先
意味もなく 握って広げ
どこからか聴こえる 口笛の
悔しげで軽やかな旋律
コンクリートは 暖まらず
雨も止まずに 人は進む
自分で吹いていた 口笛の
寂しくて泣きそうな旋律
何かを唄いあぐねて
薄くひらいたままの口が
奏でだす 声にならず
冷え切った空気に 消えてゆく
叶うなら 誰かに届け
何かを抱きしめそこねた
今は自分の膝を抱く腕の
先で持つ 短い煙草が
吐息と同じ白い 息を吐く
叶うなら 空まで届け
うすぼんやりした周囲を
見回す視界に小雨が落ちる
一度だけ 深く吸って
かろうじて吐き出した 白い煙
叶うなら 空まで昇れ
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