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紅色の手紙
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作詞 畠ポン |
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「大丈夫」としか言えなくて痛んだ君を励ました
小さく弱い僕だけど 君の背中を押すことが出来るから
引っ越す君宛てに書く手紙が 不思議に怖く
落ちた滴で字がにじみ 何気ないことを書くのに
黄色い鉛筆が激しく震え 乱れた文字が手紙を埋める
ありきたりなことしか言えなくて それでも君は笑ってた
鉛筆を走らせ 震える唇から漏れる
君宛てへの独り言
「大丈夫」としか言えなくて 怯える君に手を伸ばし
求めるものを知りたくて つまずいてもずっと前を見続けた
知らない未来に夢を描き 閉じられた君の過去を僕が開くよ
学校を抜けだし君の家まで 足を走らせ
胸ポケットのしまってる 君のために書いた想い
曲がり角から来る車に気付かず 周りが紅に染まっていった
駆け寄る君に手紙を渡し 雑に手紙を開いて読む
大粒の涙が 僕の傷口に落ちてきて 不思議と痛みがひいてゆく
低い声で僕の耳に伝わる 「ありがとう」の五文字が響く
僕の血で手紙が染まり 薄れゆく景色に君がうつる
君が僕の未来の階段を教えてくれた
「大丈夫」としか言えなくて 錆びた心を潤した
心の水に君が落ち 君の波紋が僕の水を弾かせた
読み返しながら落ちた涙が 枯れた僕に温もりを教えてくれた
飾られた紅い手紙に祈りを捧げる 十\年後の君
二度と開かれぬ手紙を眺めては
目をつむりながら思い出し
輝く名もない滴が頬をつたう
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