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パラレルに負け犬
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作詞 月猫 |
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街の中 自転車で疾走少年
イヤホンで音楽を流し込みながら
ふと見れば活字へと沈み込む少女
菓子パンをかじりつつバスを待っている
スピードを上げてゆく今日この頃は
パラレルに駆け抜ける時代らしいね
最近どうも目が回ると思ったら
どうやら僕は脱落していたようだ
仕方がないか 不器用な人間など
轢いたことにも気づかない時代だもの
今日も……負け犬
新聞や参考書 片手に携え
パラレルに生きている人間の群れは
また僕をあざ笑い 通り過ぎてゆく
どこまでも器用だね あの人たちは
擦り減ったこの靴と弱い足では
彼らまで追いつけはしないようだね
お優しい目で正論かざす誰かは
ひどくきれいだ 吐き気までもするくらい
失敗なんかしたこともない誰もを
道の下まで引きずりおろしたいんだ
所詮……負け犬
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