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笑顔
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作詞 イロハ |
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囁くような波の音に 耳を傾けた
規則的に繰り返される小波が
浜辺の砂をさらってく
果てなく遠い海の彼方に
堕ちていく流れ星が 見えた気がした
視界の隅に映りこむ月は
悲しげに 静かに 輝いている
冷たい風が吹く
髪が靡いて 視界を遮った
見えなくなった海の彼方で
また 流れ星は堕ちたのだろうか
純真無垢な願いを乗せて
真っ直ぐ 速く 速く
どうしようもない 後悔と悲哀
いくら泣いたって 叫んだって
誰ももう 笑ってはくれないのに
小波の音だけが聞こえる この場所で
誰かの笑顔を求めるなんて 許されないのに
太陽の輝かない この場所で
月だけがわたしを見て 嘲笑うように 光る
風で靡くスカートが
小さな音を奏でて 足を掠めた
誰も居ない この場所で
残ったものは波の音
規則的に繰り返されるそれは
有り得ぬ遅刻を 思い出させた
もう二度と 彼の地へ戻らない わたしを
虹の出ない雨上がり
星の出ない夜の空
重い雲だけが 穏やかに流れている
誰も 笑ってくれないのなら
わたしが 笑ってやろうと思った
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