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心神
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作詞 シンヤ |
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ふと気付いたその視線が、何故だかとても優しくて。
俯く事しか出来ない私に、貴方は困ったように笑った。
頬を撫でられ、包み込まれて。
私はいつだってその温もりに心絆されてきた。
傍に居るから、と照れたように微笑まれて。
私はいつの間にかその優しさに涙を流すようになっていた。
好き、なんて言葉は掴めない雲のようで。
愛してる、なんて想いは果てのない空のようで。
伝えたい気持ちは、こんなにも大きいのに。
連れて行かないで、と、祈り。
置いて行かないで、と、願い。
子供のように貴方に縋った私を、貴方は静かに抱き締めた。
この想いだけは消せないから、と。
貴方の戻らない部屋で、傍らで眠る猫を眺め。
欠伸をして私に頬を寄せる仕草に、貴方がもう一人居るようだと小さく笑みを浮かべた。
貴方を失ってもなお、溢れ出るこの温かな感情。
言い表\せない想いだからこそ、尽きる事もなくて。
訳もなく、貴方に逢えたような気がした。
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