|
|
|
命の重さ
|
作詞 孤狼 |
|
そこにいたのは 野鳥でした。
冷たい空気が漂う店の入り口自動ドア前
小さくなって そこにいました。
こちらでは飼えませんのでどう致しますか
ペットショップの定員さんが言いました
本当に? 見殺しにするのですか
お店で飼えないなら、保護します
父さんも母さんも許してくれたし
鳥カゴもご飯もその場で買ったよ
はじめは元気だったのに
うるさいぐらい元気だったのにね
私は友達の家に泊まる予\定だった
だから一緒に連れて行ったの
君を保護したとき一緒にいた子だよ
まだ小さな子供だった君は
自分で食べることも飲むことも出来なかった
元気だったのに
とてもとても元気だったのに
学校から帰ってきたら
部活を終えて帰ってきたら
君はカゴの中でひっくり返ってて
ご飯の時間だよ と手のひらにのせても
うまく立つことが出来なかった
どうして?
動物病院の診察は午後4時から
獣医さんは言いました
野鳥は本来 飼うものではないから
10匹に1匹育つかどうかなんだって
とても弱っている 衰弱しきっている
その日、君は死んでしまった。
たった、3日間の出来事だった。
特に触りすぎたわけじゃない
特に餌を与えすぎたわけじゃない
特に構\いすぎたわけじゃない
特に動かしすぎたわけじゃない
それでも君は衰弱して
死んで しまった。
私の手の中で
死んでしまった。
たった3日。
生きていた 君への喜びと
命の 重さを知った。
保護することに躊躇いがあったのに
いつの間にか君がこんなにも可愛くて
餌を食べてくれた時の喜びとか
鳴き声が止んだ時の不安とか
立てなくなった時の恐怖とか
君がいなくなった時の悲しみとか
忘れない。
もう 忘れられない。
小さな 小さな命が
道端に 落ちていた命が
とてつもなく 重かった。
死してなお暖かい君が
恐ろしいほど 重かった。
涙が落ちた。
次から次へと溢れる涙が頬へと伝って
君を少しだけ濡らした。
命の重さを教えてくれた君
悲しいほど可愛かった君
幸せをたくさんくれた君
小さな命を懸命に生きた君
静かに、眠って
おやすみなさい。
|
|
|