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1oo作目の物語
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作詞 悪鬼 |
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今までいくつかの話をしてきたけれど
そんな中でも最高の思い出を僕の口から語らせてもらおう
ただ一つの運命を信じた男の物語を語らせてもらおう
吹き付ける春の風 輝く光を男は握り締めていた
それは男の光じゃなく 誰かの光 誰のだろうか
それは君の光じゃなく 僕らの光 輝くだろうか
特に可愛くもなく ただ少し目立っていたのか
男の中だけで 過剰評価していたのだろう
君の中だけに 照りつける光に照らされようと
いくつもの恋があった 愛がたくさんあった
その中に 君よりもキレイな笑顔もあった
だけど 男は動物的本能\で君を選んだのだろうか
道を歩くと 落ちている傷つけられた愛情
全て拾い集めて 誰かにぶつかった 知ってる笑顔
惨めな男は苦笑いを見せ付けて 逃げるかのように拾い続けた
それを追いかけたわけじゃない君が 恋しかった
ただ男は甘えられる存在がほしかったのだろうか
想いを伝えただけで簡単に始まってしまった運命に
違和感もなく 手を繋ぎ歩いていた
後ろ振り向いたら数人立ち尽くす人
飛び交う言葉は男の胸元にいくつかの傷を作った
そしてその傷と同じだけ 君の心に傷を作って魅せた
同じだけの傷を持った僕らにこれ以上のものはなかった
愛が足りなかったのではなく 運命だった
僕らが出会うのも必然 別れるのも必然だった
足りない笑顔を補うものもなく 再び別々の道を歩く
そして男は固い壁を殴り続け 自らのこぶしを傷つけた
胸元の傷だけでは足りなかった
運命だとは気づかなかった男には その別れは凶器と化した
君は一人で歩き続ける その横を通りすがる恋愛も
全て受け流し 一人で歩き続けていた
そのときにつぶやいた言葉を知ったのは後からだった
男は一人でいることに違和感を感じ
再び君を求める 無意味に誰かを求めたがった
そのとき既に 新しい恋をしていることにも気づかずに
今 僕はここで君と過ごしている
時間はあえて作らずに自然体に任せ これ以上を求めずに
何もしないことが最善だと 自分に言い聞かせた
男は確かに 君を愛していた
その愛は受け取ってもらえていなかった
だからいつからか愛することも出来ず
だけど愛しているという錯覚の中ですごしていた
新しい恋はこの夏の日に より強く
伝えられそうにない恋は より強く
毎日会えない 新しい愛
君は「恋をしています」看板を立てている
そしてその恋の話を聞かされて 心痛む
だけど それ以上にそばにいたいと願った
それ以上に君を求めた 男としてじゃなく僕として・・・
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