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名もない街で
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作詞 月猫 |
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暗く湿った街の片隅、
空を見上げる子どもがひとり。
空に救いがないことくらい、
すでに悟った瞳をしていた。
子どもは誰もいない道ばた、
ただ歌う、何を祈るでもなく。
きれいごとなんて大嫌いだよ、
今まで僕にはこの世界など
きれいに見えたことがないから。
重く冷たい雪が降る街、
ひとり震える子どもが座る。
わずか安らぎ片手に抱いて、
夜が無言で街を包んだ。
子どもは誰もいないこの夜、
ただ思う、何を悼むでもなく。
寒さより痛みよりもっとずっと
辛いのは孤独、ひとりぼっちだよ。
だからもう僕は眠ることにする。
子どもは誰もいないこの世で
ただ眠る、二度と覚めることなく。
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