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sweet apple and sour blue apple
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作詞 黒翼色 |
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真っ白な布で真っ赤な林檎を磨く
光に当てて見るとピカピカに光ってる
そっと唇に林檎をあてて歯にたてる
齧りついてみると甘い果汁が口の中に広がる
丸く齧られた跡が痛々しく見える
赤い皮と白い果肉がその感覚を増幅させる
甘く噛む度に果汁と音が口の中で騒ぐ
その感覚が消える前に次の一口を
時間が経つにつれ、手に持つ林檎が軽くなる
そんなことに寂しさを覚えながら最後の一口を
手に残るのは黒く小さな種と細く弱弱しい茎だけ
最初に持っていた林檎はもうそこには残っていない
もうこの身体の中に吸収されてしまった
食べてしまったあの林檎は今何処を彷徨ってるのかな
あの林檎はこの身体の一部となるために消えてしまった
でも、名残惜しい 寂しい でも、もう会えない
甘く幸せな時間は呆気なく過ぎていった
今残っているのは種と茎と複雑な感情だけ
林檎はもうない 形も温もりも優しさも残さなかった
思い出として何かを残すことを拒んでいた
この感情を揉み消す為に傍にあった青林檎を齧る
酸味の効いた青林檎 求めている味とは全く違う
あの甘い林檎への思いを消してくれそうにない
すっぱさが悲しみを増幅させる結果となった
寂しさ紛れにした行為が凶というくじをひいてしまった
口の中に広がるすっぱさが悲しみを苦痛へと変えていく
甘い甘い幸せな時間は苦い苦い苦痛の時間へと変わった
sweet apple and sour blue apple それは甘と苦の世界
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