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最後の寝顔
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作詞 黒翼色 |
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日曜日の早朝 激しく叩かれる鉄のドア
息を切らして話す伯母さん 衝撃を受けた
信じたくなかった 気がついたら祖母は箱の中
綺麗に整えられた寝顔 もう起きてはくれない
休みの日 何度も祖母の部屋を訪ねたがいつも
眠ってて話す機会がなかった 話したかった
細くシワシワの血管の浮いた手が悲しく映る
もう長くない一年以上前から聞いていた
いきなり違う病気でこの状態になった祖母
最後に笑顔を見せてほしかった 寝顔で去らないでよ
親戚一同が集まった 誰も泣いていない 泣き虫な私も
でも、燃やされて白い物体となったとき、みんな泣いていた
私だけ泣かなかった その後、食事をするとき、声を殺して泣いた
こみあげてきた抑えてきた感情が涙となって流れ出してしまった
あの姿はもうない もう白い物体で何も残っていないんだ
そう思うと苦しくて辛くて逃げてしまいたいという気持ちに襲われる
あの笑顔も写真でしか見えなくて現実には残っていないんだね
祖母の最後の笑顔見たかったよ 寝顔で終わらせないでよ
話してほしかったよ もう一度だけでいいから名前を呼んでほしかった
失ってからその人の大きさを知るって本当だなって身にしみて感じた
声が聴けない 笑顔が見れない それどころか姿はもう存在しない
いつまでも優しかった いつまでも綺麗だった祖母の心の中
さわりたかった 冷たいとわかってるけどそれでもさわりたかった
あの細い指をした手を私の大きな温かい手で包んであげたかった
細くシワシワの血管の浮いた手が悲しく映る
もう長くない一年以上前から聞いていた
いきなり違う病気でこの状態になった祖母
最後に笑顔を見せてほしかった 寝顔で去らないでよ
言ってなかったけど大好きよ 恥ずかしくて言えなかった
言えばよかった 大好き そばにいてよ もっと笑ってよ
我侭とかいろいろと話したかった 声を聴きたかった
そういえば、前に手を握ってくれたよね あの強さは何処に行ったの?
最後の最後まで嘘をついて私に安心させようとしていたの?
『おばあちゃんは大丈夫だからね。心配いらないよ』って言ってたの嘘なの?
優しすぎだよ 逆にその優しさが私の心を傷つけたじゃないの
最後まで優しかった 最後まで嘘をついてた 大好きなおばちゃん 笑ってますか?
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