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悲海
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作詞 薙紗 |
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あなたは僕にただ手を振ると“さよなら”と言い遠くへ消えた
一人残されうつむく僕は冷たい雨に打たれ続けた
すでに見えないあなたの背中 判って尚もずっと見つめた
でも見えるのは真白い霧とこの身切り裂こうとする北風
この海はどれほどの悲しみを吸った?
僕もまた悲しみをこの海に吐き出そう
頬を流れる僕の涙は降り続く雨に混じって溶けた
大きな傷を背負った僕はあなたの風を追いかけていた
辿り着いても笑顔を見せてくれないと頭は判っていた
疲れ果て足を止め空を仰ぎ泣いた
また風は身を刻み心を蝕んでいく
頭の中のあなたの影は消えそうにもないくらい色濃い
花が風に吹かれて飛んで静かに堕ちる
冷たい海は花を映し刹那 人に魅せ
白くも蒼い海に飲まれ沈んだ
この海はどれほどの悲しみを吸った?
僕もまた悲しみをこの海に吐き出そう
朝日は昇り月は沈んで長い一日は今日も始まる
悲しみはまだ薄れゆかない
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