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雫
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作詞 哉澄蒼伽 |
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別れに笑えなかった僕を、君は笑うだろうか。
"あの日"、二人だけの駅のホーム
夢への一歩を踏み出して
列車へ乗り込む君の顔を見れなかった。
ただただうつ向いて、
「頑張れ」
としか言えなくて。
僕が立つコンクリートの地面にだけ雨が降って
君は僕の名を呼んだ。
最後のキスは涙の味。
夢追い掛けて別れを選んだ君を、僕は恨めない。
だから、せめて今だけは、時よ緩やかに。
君との最後のキスは一瞬と永遠の狭間で。
"あの時"、二人だけの別れの汽笛
静かに進む列車と君の姿を瞳に映して
僕は君へ小さく呟いた。
わずかに聞こえる程に
「愛してる」
とだけ言えた。
僕だけを残して行く列車に乗っている君の唇が動いて
僕に最後の言葉を。
最後の言葉はお互い同じ。
君を想い泣いた僕を見て、君も泣いていた。
だから、せめて今だけは、想いよそのままに。
君との最後の言葉には嘘も偽りも無くて。
別れに笑えなかった僕を、君は笑うことはない。
もしもこの先出会えたら、その時は
君を笑って抱きしめよう。
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