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無幻
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作詞 もちお |
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いつかは壊れてしまいそうな現実に
サヨナラと手を振り背を向けていた
逃げ出すことためらっていなかった
まだ現実では何をしてもいないのに
困難に立ち向かうことさえ
出来ていなかった僕の過去を
あなたが変えた 逃げ場をふさいで
頬を小さな手が叩いた、痛みは感じなかった
けれど逃げ出していた自分を恥じていた
どこか悲しいこの世界を覆う雲が遠のいた
光が僕らを照らした、見えたあなたの顔は泣いていた
ずっと都合の良い言い訳で歩いてきた
不意にその道がひび割れ始めた
落ちてゆくことをためらっていた
誰かの差し出される手を待っていた
叶わぬ願いを幻と呼んで
手を伸ばすことさえしていなかったのに
あなたの手が、僕を止めていた
頬に雫が落ちてきた 冷たい涙だった
けれど心でそれを温かいと感じていた
どこか寂しげなこの世界に日が差し込んだ
光がそっと照らした あなたの顔はまだ泣いていた
生きることためらわないで
ひとりきりだと怯えないで
聞いて頷いた僕に初めて希望が生まれた
あなたが笑った 何故かまぶしかった
差し込んでいた日の光よりも 温かかった
けれど目を細めることしなかった
どこか儚げなこの世界に愛が生まれていた
光はまだ差していた あなたの顔もまだ笑っていた
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