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犬と抜け殻
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作詞 空繰技師 |
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「愛されたい犬だよ」と
彼女に告げたなら
彼女は笑って
僕を捨てた
「可哀想な犬ね」と
僕に告げたあと
彼女は笑って
僕を捨てた
路頭に彷徨って
ゴミ屑漁って
全てに疎まれ
僕は生きた
目が見えなくなって
希望も無くして
それでもいいから
生きてたかった
生きてたかったんだ
ある日雨が降った
とても寒くて
箱に逃げ込んで
震えていた
温もりが恋しくて
腕を噛んだ
流れた血はとても
僕に優しくて
毛先濡らしながら
包んでくれた
僕は目を閉じて
それを受け入れた
それを受けれ入れたんだ
愛されたくても
愛されません
それらは常に
背中合わせ
愛されなくては
生きられません
それらも常に
背中合わせだ
背中合わせだよ
淡い夢の中じゃ
君は笑って
僕を受けれ入れた
僕を抱き締めた
淡い夢から醒めると
雨は止んでた
白い雲の隙間
お日様がのぞいて
流れた血は乾いて
こびりついてた
汚いそれを舐め取って
僕は泣いたんだ
僕は泣いてたんだ
夢を見れば
全部終わりです
迷うことなく
眠ればいい
ずっと夢を
見続ければいい
静かに目を
閉じてればいい
閉じてればいいよ
「ごめんね捨てたりして」
彼女が僕と
同じびしょ濡れの
格好で泣いていた
泣きながら差し出した
それは救いの手
でも少し遅かった
僕は抜け殻になった
二度と目を醒まさない
夢を見続ける
それだけ生きがいの
抜け殻になっていた
抜け殻になっていたよ
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