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絵描きと色
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作詞 パープル |
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記憶を失った一人の絵描き。
彼は昔を忘れたまま生きてきた。
そんな彼を知っている幼なじみの彼女。
優しい笑顔の彼女に、彼は言った。
「僕は、人を愛する色を知らない未熟な絵描き...」
本当は君が好きで、人の愛し方を思い出したくて。
そんな僕に、君は優しく笑った。
笑顔を取り戻した一人の絵描き。
彼は本当の自分を思い出せないでいた。
そんな彼は彼女に絵を描いてきた。
優しい心の彼は、彼女に言った。
「僕は、自分を誇れる色を知らない未熟な絵描き...」
本当は自分が良くて、自分の誇り方を思い出したくて。
そんな僕に、君は心から泣いた。
そんなある時、彼に病魔が襲う。
壊されていく彼の手は、少しづつ感覚を
奪われていった。
そしてじきに来る、最後のときは近づく...
君の温もりを忘れるのが怖くて、
流れる涙が手をうっても、
その冷たさも感じれなくて。
今じゃ君を愛する、自分を誇れる
色も知っているのに。
もう、僕には君の腕を握る事も、
ペンを握る事も出来ないよ。
君はある日、僕の代わりに絵を描いた。
汚れた手を僕に見せる事もせずに。
その絵は、今まで見た絵の中で
とても綺麗で、僕はまた泣いてしまった。
いつのまにか君も泣いていた。
あぁ、僕は君が好きだった。
最後の力で僕の手が、君の手と、絵に触れた。
もう目を覚まさない彼がいる。
冷たくなった彼の手でも、彼女には
温かすぎた。
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