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記録-memorie-
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作詞 蘇季 |
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この教室に来るたびに
君の面影が目の前を過る
永遠に見えていた残像は
一瞬の間に泡沫に消える
追い駆けて廊下に出ても
暗い世界だけがただそこに広がるだけで、
君のいた形跡なんて残らない
―深い深い穴へと落ちていく―
窓の向こうの景色
車の台数ばかり数えていた
今でも。
煙突から流れ出す雲は流れて
いつか君への思いも掻き消してくれると思っていた。
だけど無情にもその雲は
僕の頭上を濡らすばかりで
それでも笑っていたんだ。
サヨナラって無理矢理に。
それでも、痛みが募るだけで
―深い深い闇へと落ちていく―
「決めなくちゃ。」
進まなければいけない路を。
「わかってる。」
手を繋いだ温もりが未だに消えないままでも。
自暴自棄に似た前進でも
試す価値はあるだろうか。
君のいない街で
“ひとり”
過ごしていくことを
大丈夫なんて言い聞かせて
「嘘つきはどちらだよ。」
ふと笑って、また時を刻み始める。
他人は他人の代わりになってはくれないから
誰も他人の痛みの代償を払うことはないのだから
「行かなくちゃ、歩かなくちゃ。」
君のいない世界でも
平気なふりをして
また窓の向こうの空を眺める。
この教室に来るたびに
君の面影が目の前を過る
永遠に見えていた残像は
一瞬の間に泡沫に消える
追い駆けて廊下に出てたら
暗い闇だけがただそこに留まるだけで、
君のいた形跡なんて残らない
幻だけが 繋いでいた両手から
綻んで 離れていく。
「幸せでいてよ。」
笑って言うから。
遠く離れたこの場所から、
もう戻ることのない道標として。
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