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sein-存在-
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作詞 蘇季 |
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古時計の音 目を閉じれば
思い出す記憶さえ
曖昧になっていくこと
少しばかり怖れていた。
本当の言葉
あまりも甘過ぎて
カップの底に沈んでいった
掻き回せば 広がりだす
イメージの底に佇む
色のない空白の日が
今では懐かしくも遠い。
いつか忘れてしまうのならば
いっそのこと願うよ
冷えてゆく指先に
涙の跡は隠せないから
とりあえず笑うよ。
どんなに痛くても。
怖れるものが多すぎて
開いたノートの
世界に飛び込んで
自由に旅していた。
何処までも駆けてく
例えば虹の向こうへと。
ふと振り返れば
モノクロの世界
思い描き笑った
「もうそろそろ帰る頃だ」
スケッチブック片手に夜空を駆けた。
繋ぎ合せた星の行方を
探しに今日も一人ふらついた
自販機の灯りがやけに目に染みる
駅から通り過ぎた
あと少しだ。歩いて帰ろう
懐かしく歌うよ
十字路を過ぎる車を
横目で眺めながら
眠れない夜には
宝物を抱き締めて眠る
この両手から離れていかないように
「それでもいつか。」
仮面はいつまでも被ったまま。
寂しいなんて言わないで。
気付いたら立ち止まってしまう。
そんなこと知っていたから。
夢の中、殻を被った
何処に出かけるのも大丈夫だと
笑っては鳴いて 羽ばたいた。
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