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硝子の歌姫
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作詞 那華 |
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もうずっと永いことビンの中 歌声はコルクに奪われてしまって
与えられた宝石に身を伏せて 嘆くだけ
もし風と共に 花に歌い 愛を歌うことができるなら
何もいらない 何もいらないのに
あたしが今一人で静かに朽ち果てても
誰の目にも留まらない 留まるわけない
透明なこの躯は 光をも突き通す
あたしの存在は 既にもう音でしかない
暗い時の中 誰かにとってこの歌詞が 戯言でしかないとしたら
あたしの存在価値は どこに在るって云うの?
もし海の中で 空と歌い 愛を歌うことができるなら
何もいらない 何もいらないのに
響くノイズで 壊れてかけたこの躯は
ピアノの音の欠片にも耐えられない
崩れた瞬間飛び散った 鋭い破片と
耳を劈くような 悲鳴が心地よい
もし星の下で 月へ歌い 愛を歌うことができるなら
何もいらない 何もいらないから
お願い…
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