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美冬
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作詞 続きかおる |
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―コンコン
夜の静寂をドアがノックした 音は想像以上にひびきわたる
こんな季節にまさかサンタクロース? 小さな期待を詰め込んで近づいてゆく
いつも夢はそこで途絶える そんな夢に最近よく起こされる
―コンコン
今日君が僕の部屋を訪れたら 今年で何度目を迎えただろう
開けた瞬間僕の右頬に突然キスをした 恥ずかしがり屋の君の精一杯の贈り物
いまも君はその笑顔のまま そこに君が去ってもなお現れる
坂を上ったら一面の桜 海が飲み込んだ真っ赤な夕焼け
飛び跳ねたら返事した落ち葉の声 どの景色が好きだった?
その頃から少しでも 君の体の中に潜む悪魔に気づいていたなら
僕が特効薬を作ってでも 時を止めて遅らせることができていたなら
今頃は丁度君が隣にいて ただただ楽しいだけのクリスマスのはずなのに
―コンコン
繰り返し夢に見た場面が訪れ 鼓動がいつも以上に速くなる
こんな季節にまさかサンタクロース? 大きな期待を詰め込んで近づいてゆく
お別れを告げにやってきたの 今日なら気づくかなと思って
本当はここ離れたくないけど 時間がないからもういくね。
振り向きざま君は笑ったのに 無理をするから雫をこぼした
それを合図に空からは一面に 君の涙が舞い始めたのだろう
―こんこん
と今年も街中の地面をノックする 僕の心に今も溶けずに残っている
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