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男=喧嘩する生き物
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作詞 愛妾 |
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口を切った
顔に青痣ができた
それでも殴り蹴り続ける
また殴られ蹴られ続ける
ああ痛いだろうなあ
そんな風に思っていながら殴る手は休めない
自分の拳も悲鳴を上げていたから
この馬鹿も手を休めないから
もとはと言えば煮え切らないコイツのせいだ
好きな女を譲った
俺は勝てないと悟ったから
なのにコイツはいつまで経っても話しかけようともしない
―――ふざけんなぶっ殺してやる
こうして始まった殴り合いが今に至る
もう限界なんだよなぁ
どちらからともなく倒れた
寝転がって両の目を隠すようにして腕を顔に当てた
痛くて
悔しくて
やりきれなくて
俺は泣いていた
―――俺のおごりだ、悪かったな
頬に当てられた冷たい缶ジュース
乾いたはずの俺の涙がまた流れ出た
―――お前にあの子を譲るから上手くやってくれよ
俺の言葉
本心の真摯な言葉
初めて親友に泣いて縋った
―――頼む、頼むよ俺の分まで
煮え切らなかったコイツの輝く瞳がようやく見れた
どっちが傷が重いか争いながら同じくらいの高さの肩を並べて帰った
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