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腕を去る熱
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作詞 yu-ki |
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例えば自分の髪のように
もしくはカラスの目のように
私の体も黒ければ
この手で選んだ傷口も
気取られないで済んだだろうか。
古い茶色の名残を抱えて
「他人(ひと)と同じ」を無理矢理つくる
痛みと血液とその色が
私を助けてくれる証拠。
生きていて良かったと思う時
愛されていると感じる時
きっと人よりよく気づくから
その分傷を増やしてく
誰かの悲しみに気を遣(や)っても
化粧品じゃ隠せないらしい。
細いカサブタにもう一度
真新しい赤色の上塗り
慣れるほど増やす些細な傷。
誰かと同じになりたかった
誰もと同じと思いたかった
痛みと血液とその色が
私をそこから遠去けるのに。
生きていて良かったと思う時
愛されていると感じる時
ずっとそれに苦しんでいるけど
その分傷は減っていく
半端な覚悟の人生を
浅く短く滲ませて
何度だってそうやって
私は今を生きている。
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