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夜間、水面は褪めたかのごとき
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作詞 来栖 優 |
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荒ぶ風の赤々と散る、それは
紛うことなき視界の張られた水面
表情の波紋の細(ささめ)やかなこと
細(ささめ)やかなことを貴方(あなた)は
口頭までに昇らせる暇(いとま)にまで及び
「そうなのでしょう。渡りに舟のようす。」
切り揃えた爪の表層上へと欠片(かけら)の追随が
塗られていた嘗てを彷彿とさせられるものです
天水桶の底辺である檜板からしてみれば
樋から伝達されては上から下へ来たるべく
来たるべく上から下へ伝達されては桶
ならではの加速なのか如何わしい算段の
滴りとは勘定するに値すれば成程、
蚯蚓の嘶きが人の骨身に教えたがる理由(わけ)か
粘膜質な塗装ならではの研鑽を積めばそれは
光沢の輝く素晴らしい美しさを湛える
それはそれは光沢の輝く素晴らしい美しさを湛える
浮上しながら彩度など眩みがてら経過する
池とも沼とも判別が釈然としてくれよ狷介
着用された衣類がてら区分を暫定させよう
嫌がる素振りを呼気として口唇(くちびる)より吹いては、
粗い布地から透かした糸の間(ま)からの遺棄と
柄の散りばめられた普遍を愛好するもようの女が認(したた)めた
公(おおやけ)とは煮染(にし)められつつ現存する湯の
沸騰しては蒸発するのだった注ぎ口の追求された容器
褪めたかのごとき、褪めたかのごとき。
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