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だって太陽は赤くない
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作詞 みつき |
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空を見上げても、赤い球体なんて浮かんでいない
蛇口を捻っても、水色の液体なんて出てこない
街路樹は、季節で姿を変えるし
足元は、コンクリートで固められてる
ほんとは目の前に色なんて何もなくて
ただ、頭に刷り込まれた色を、瞳という映写機で写し出してるだけ
こどもの頃の当たり前は、大人になるとなくなって
あんなに欲してた筈の、何か、も忘れてしまう
背丈が伸びて届くようになった手は
どこに向かえばいいのか分からないから
からだの横に張り付いて、ただ無意味にぶら下がってるだけ
前を見据えても、明るい夢なんて浮かんでこない
頭を捻っても、将来の正解なんて出てこない
周囲は、相手によって態度を変えるし
現状は、不格好なガラクタで固められてる
ほんとは目の前に希望なんて何もなくて
ただ、体に刷り込まれた常識を、己という人形が着飾って立ってるだけ
こどもの頃の当たり前は、大人になるとなくなって
あんなに欲してた筈の、何か、も忘れてしまう
今は優に届くようになった手は
出きる限りにあちこちを触れているから
汚れが掌に張り付いて、ただ無意味に経験値を積んでるだけ
何が、欲しかったんだっけ
何を、願ったんだってけ
何に、想いを託したんだっけ
何は、自分の味方だったんだっけ
何の、色を見ていたんだっけ
刻は無情にも、記憶も想いも願いも消してしまうけれど
それでもやっぱり、太陽は赤くない
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