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あれかこれか
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作詞 野馬知明 |
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遥かなる悒鬱の螺旋のコスチュームを纏い
自然の狡猾なる係蹄に罹りし我は今
かかる即自の丈夫を希求し
己が対自の醜怪の懊悩に囲繞される
而して嗚呼汝が草原ににも似し精神の光輝
繍花繚乱の後に乱舞再び帰らざるとも
その空華は久遠に秘めたる戯言か
拘泥せる内奥に跳梁せる不条理を超越せし
汝が高峰の雄大屹立たる容姿
かくてかのキルケゴールの実存を
雲散霧消せしめたる汝が双の漆黒の水晶
汝が運命の平坦に挑みたる眼前に於いては
江湖に名立たるシシュフォスの神話も
最早神話にあらず今は只の讒言
現に至りてはカミュもカフカもサルトルも
就中ニーチェの天才の狂気ですらも
遠く彼岸の彼方に色褪せ果てて
かくも蒼褪めたる不条理の哲理は
何等の光彩をも放たなくなる
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