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神戸・幻の君
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作詞 野馬知明 |
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桜並木にいだかれた
爪先上がりの石畳
火灯し頃に暮れなずむ
想い出漂う神戸の街
ここで君に声も掛けずに
一人佇み見送ったのは
薄くれないの染井吉野が
不意に淡く白む頃
ダイヤの夜景にいま甦る
微笑みかける幻の君
小さな店に囲まれた
港を望めるトア・ロード
通りすがりの旅人に
想い出微睡む神戸の街
ここで君と腕も組まずに
二人彷徨うそぞろ歩きは
六甲おろしの冷たい風が
襟に絡み纏う頃
沖行く艀にいま甦る
足早に去る幻の君
一人淋しく立ち竦む
マリン・タワーが風に舞う
見知らぬ人のざわめきに
想い出さすらう神戸の街
ここで君の手さえ触れずに
胸のときめきただ懐かしく
外人やかたの緋色の紅葉
頬を紅く染める頃
港の霧笛にいま甦る
後ろ姿の幻の君
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